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航星日誌

2005年の秋、その日は夕方から親族のお祝いの食事会があり、その前の僅かな時間に
当時はビルの5FにあったSに寄って、時間が限られていたのでパーっと棚を目視するも、
なかなか欲しいものがなく適当に数枚を手に取るだけで不完全燃焼であった。
「時間がない時に無理して来てもなあ」と焦り、時計を見るとギリギリだった。
そしてレジに向かう途中に普段なら一切スルーしているグッズ箱が目に入った。
その中にはバッチやステッカーなど雑貨類が乱雑に放り込まれていて、
見るからに寂れた箱であったが、今まで一度も触れなかったことがなかった。
だがその日に限って、何故かその箱に吸い込まれるように手を入れてゴソゴソとしてみた。
その意識ない行動と心境はなんて説明したらいいだろう。
何かを掴んで取り出すと90年代に絶大な人気を誇った某バンドのプロモーションCDSだった。
今ではすっかり見ない8センチのシングルで何度か他店では見たことがあるが
何れも高額で取引されていたコレクター垂涎の貴重なアイテムだ。
我が目を疑い値段を見ると何と税込100円、こんなボロボロの箱の中にこれがあるなんて。
まるで次の持ち主を待っていたかのようにCDがひっそりと箱の中で眠っていた。
状態も超美品、そもそもサンプル盤の類いはこの店で扱っていたのか...。
狐につままれた気分でレジを終えて何度も「これは夢???」と頭が混乱状態のまま
親戚の会合に参加したのだが、CDの方が僕を待っていてくれたとしか思えない。
僕に「大切にしてね」と言わんばかりにそこにいてくれたのだ。

(2018年秋の未投稿ツイートに加筆してブログに掲載)
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